北海道研修①_厚岸蒸留所見学

いつも虎ノ門 BAR 新海をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
今回のブログでは、夏にお邪魔した「厚岸蒸留所見学」のレポートをお届けいたします。

日本国内だけでなく、今や世界中で人気沸騰中の日本のウィスキー。ようやく日本のウィスキー作りが認められ、世界中が注目するようになりました。

サントリー、ニッカウヰスキーがこれまで日本の代表的なウィスキーメーカーでしたが、近年では、マルスウィスキーやイチローズモルトなどの少しマイナーなメーカーも注目されるようになってきました。更に最近は、新たに蒸留所を建設してウィスキー事業に参入する会社も増えてきています。

私がそれらの中で最も注目しているのが、北海道の道東は厚岸に位置する厚岸蒸留所です。

私自身が北海道出身であるため、勝手に親近感を持って、「北海道のウィスキーを応援したい」と思い、厚岸蒸留所がこれまでにリリースしたニューボーンシリーズはもちろん全て購入させて頂きました。

そんな、想い入れの強い「厚岸蒸留所」ですが、この度ご縁をいただき、蒸留所見学に行って参りました。
 
という事で、レポートしたいと思います。

1.東京から、いざ厚岸へ

今回の厚岸蒸留所見学ツアーは、私ども「DiningBAR Hidden Lounge」、「虎ノ門 BAR 新海」、「芝大門 BAR 新海」の3店舗からバーテンダー4人+αの5人で行って参りました。

目指す目的地は厚岸。

7/15(日)羽田出発 → 厚岸蒸留所見学 → 札幌へ移動
7/16(月)余市蒸留所見学 → 札幌研修
7/17(火)帰京 → 夜からお店の営業

という強行スケジュール。

7/15(日)の朝7時、羽田空港。各店のバーテンダー達が時間通りに集合し、羽田空港から釧路空港へ向け出発しました。久々のAIR DOに乗り込み快適な空の旅。離陸から2時間弱で無事に北海道の東の果て、「釧路」に到着。

2.厚岸、遠すぎる

さあ、釧路に到着したし、「厚岸まであと少しだ!」とメンバー全員テンション上がり目でした。が、北海道の広大な大地を侮っていました。移動と乗換の待ち時間に想像以上に時間がかかりました。

目的地の厚岸蒸留所までは、ざっとこんな道のりです。

釧路空港
↓(阿寒バスでJR釧路駅へ:約50分)
JR釧路駅
↓(JR根室本線:約50分)
JR厚岸駅
↓(タクシーで蒸留所へ:約15分)
厚岸蒸留所

移動に要する時間だけを計算すると、約2時間。たいした事無いように見えますが、北海道のローカル線は本数自体が非常に少ないので、それぞれの待ち時間が20分~30分。

東京の5分おきに電車が来る感覚に完全に慣れてしまってて、この待ち時間にかなりぐったりでした。

とりあえず釧路空港からバスに揺られること50分、JR釧路駅まで到着しました。久々の釧路、相変わらず寂れていました。(道産子としてはちょっと悲しい)

JR釧路駅からは、JR根室本線の根室行きに乗って厚岸に向かうのですが、ここで電車の発車待ち30分。周辺に時間を潰せそうなショッピングモール的なもの無く、ドトールやスタバももちろん無く、駅の中をうろうろ。

「世界デ二番目ニオイシイ!!おやきの店」を発見。

北海道の”おやき”は、関東や他のエリアの方が想像する”おやき”とは違っていて、これが北海道の”おやき”なんです。

道産子の私は、子供のころから”おやき”と言えばこの形。中にはあんこやカスタードが入っていて、おやつ代わりに子供も大人も喜んで食べる物でした。久々の”おやき”も堪能し、退屈なはずの待ち時間が意外と充実しました。

一通り駅の中を見て回り、やることが無くなったのでパン屋併設の喫茶店で一休み。併設されたパン屋でひときわ目立っていたのが「湿原のパン」
味がとっても気になりますが、この後は駅弁を食べるので我慢。

ということで、駅弁とビールを購入し厚岸に向けて乗車。

なんと、この根室行きの「快速ノサップ」、衝撃の1両編成でした。

その割に観光客も含めて乗車する人は多くて、我々は座席に座ることが出来ず、出口付近で乾杯&駅弁の立ち食い。乾杯はやっぱり北海道限定のサッポロクラシック。

厚岸までの約50分、立ちっぱなしは疲れましたが、電車からの眺め、見渡す限りの大自然、さすが北海道。『感動』そして、疲れた心と体も癒されました。

釧路を出てから暫くして、右も左も木々に囲まれ、ひたすらこの景色が続きます。見て分かる通り、線路が単線なので当然電車が交差できない仕組みになっています。そりゃ本数少ないのも納得です。

そうこうしているうちにようやく「JR厚岸駅」へ到着。

さあ、ここからはタクシーに乗って、15分。

3.AKKESHI DISTILLERY(厚岸蒸留所)

JR厚岸駅からタクシーで走ること15分くらい。
遂に目的地の「厚岸蒸留所」へ到着。

迎えてくれたのは「AKKESHI」と大きな文字で書かれた蒸留所。
まるでスコットランドの蒸留所に来たかのようでした。しかし、蒸留所周辺は見渡す限り大自然。

そんな中にまだピカピカの真っ白な蒸留所はとっても映えます。

厚岸蒸留所は、製造工場と熟成庫、そして併設する事務所の3棟で構成されていました。少し離れたところに第二熟成庫もありそれを入れると4棟の構成。

今回は、堅展実業(厚岸蒸留所の所有者)様とのご縁を頂きプロ向けの蒸留所見学をさせて頂ける事となったのですが、まずは事務所内の会議室にて厚岸蒸留所が出来るまでの話や特徴、目指す姿など、立崎所長より直接ご説明くださいました。

堅展実業の樋田社長から事前にお聞きしてはいたものの、現地で説明を聞くと更に学びが深まりました。

  • 冷涼で湿潤な気候を求めて選んだ立地が『厚岸』
  • アイラ島で作られるスモーキーなウィスキーを目指している
  • スモーキーなウィスキーに必要な泥炭が豊富に採れるのが『厚岸』
  • 1年を通して温度差が高く、熟成速度が速い
  • オール北海道(材料)のウィスキー作りを目指している。

まさに、厚岸はスコットランドのアイラ島の地形や気候に似ていて、ウィスキー作りに適した最高の場所だったのです。

4.徹底した衛生管理

厚岸蒸留所の特徴はウィスキー作りに適した立地というだけではありませんでした。
厚岸蒸留所を任されている立崎所長は、実は前職は某乳業会社で勤められていて、牛乳の製造などを経験されている方で、飲料製造の衛生管理に関してはプロ中のプロだったのです。このノウハウを厚岸蒸留所にも適用し、徹底した衛生管理を行っているとの事でした。

また、製造に関しても各材料や様々な製造工程なども精密な数値管理をおこない、一定の味を保つように管理されているという事でした。

こういった企業努力のお陰で、厚岸蒸留所で製造される原酒の質は、操業時よりもどんどん美味しくなっていると仰っていました。

5.蒸留所内部へ

徹底した衛生管理を行っているので、蒸留所内を見学させて頂く前に専用のクリーンウェアに着替え、手足の除菌をマニュアル通りにしっかりと行ってから入場となります。

事前のお話通り、蒸留所内は整然かつ非常に綺麗な状態を保っていますが、内部は麦を糖化・発酵させた時の甘酒のような香りが漂い、更に気分を高めてくれます。

厚岸蒸留所の蒸留器は、本場スコットランドのフォーサイス社製を導入していることは、事前情報で把握していました。施工時にはスコットランドから技術者数十人が来日し、設置組立作業の全てをフォーサイス社で行ったとの事でした。実際にこのポットスチルを目の前で見た時に、こんな大きなポットスチルをよくスコットランドから運んできたなぁと、厚岸蒸留のこだわりの強さに改めて感心しました。

蒸留所内で写真撮影可能なのは、熟成庫のみということで、写真はこの一枚だけ。

熟成に使用する樽は、バーボン樽、シェリー樽に加えて、入手困難な「ミズナラの樽」も使用しているのもこだわりのひとつ。

見学の最後に、これまでの厚岸ニューボーンシリーズと蒸留したてのニューポットを味見させて頂きました。

所長がおっしゃっていた「原酒の味にこだわっている」の意味が良くわかりました。ニューポットなのにアルコールの辛さが無く、甘味を感じる。こんなニューポットは初めてでした。お世辞抜きで、この原酒が熟成の年月経た後、どんな味になるのか本当に楽しみです。

ウィスキーとして正式な販売は、2020年からとの事です。ウィスキー愛好家はお見逃しなく!

6.生牡蠣と厚岸ピーテッドのマリアージュ

約2時間に及ぶ見学を終え、所長に厚岸蒸留所の素晴らしさを東京の多くのお客様に伝えていく事を約束し、厚岸蒸留所をあとにしました。

釧路へ戻る電車の出発時間まで僅かな時間しかありませんでしたが、これだけは体験しなければ勿体ない!という事で、向かったのは厚岸味覚ターミナル コンキリエ

そう、厚岸の味覚といえば、牡蠣

スコットランドでは、牡蠣にスモーキーなウィスキーを垂らしてマリアージュを愉しむ食べ方があるのですが、コンキリエ内のレストランで、「3種の厚岸産生牡蠣」×「厚岸ウィスキーピーテッド」のマリアージュを体験できる至極のメニューを提供していたのです。

滞在時間は10分もありませんでしたが、牡蠣と厚岸ウィスキーのマリアージュを堪能できました。

満足感に浸る余裕も無く、走って厚岸駅まで向い来た道を戻る一行。

7.釧路から札幌までは飛行機で

翌日は朝から余市蒸留所の見学に行くこととなっているので、今日中に札幌まで移動しなければならないということで、時間の無い我々は、飛行機で札幌(丘珠空港)まで移動する事に。

道産子ですが、北海道内を飛行機で移動するのは実は初めて。札幌の丘珠空港を利用するのも初めてでちょっと楽しみでした。

釧路⇔丘珠を飛ぶJALの飛行機は小さいとは聞いていましたが、想像以上の小ささで驚きました。映画で見るような「自家用プロペラ機」という感じです。

自家用プロペラ機に乗り込むような感覚にテンションが上がりつつ、機体に乗り込みすぐに出発。釧路を後にしました。

この調子で一気に札幌入り完了。

何とか無事に釧路から札幌へ飛び、翌日の余市蒸留所見学に備えて、程ほどに札幌の夜も堪能しました。

写真は、狸小路7丁目のジンギスカン「ヤマダモンゴル」安くて美味しかったです!