Whisky Festival 2019 in Tokyo レポート

いつも虎ノ門BAR新海をご愛顧いただき誠にありがとうございます。

先日、最新のジャパニーズウィスキー情報を入手する為、ベルサール高田馬場で開催されました「ウィスキーフェスティバル2019」に行って参りましたので、当日のレポートをお届けしたいと思います。

Whisky Festivalには、国内外問わずたくさんの”ウィスキーメーカー”、BARフード系の”食品メーカー”、”BARツールメーカー”等がたくさん出展していました。

入場料で5000円支払いますが、高価なウィスキーを除いてはどのブースでも試飲する事が出来るので、5000円以上の価値のあるイベントという事もあり、飲食店関係者以外の一般のお客様も大勢来場されていました。

今回の主な目的は、当店の売りでもある『ジャパニーズウィスキーの最新事情』の確認でした。もちろん海外のウィスキーも一通りはチェックしましたが、やはり日本のウィスキーメーカーのブースが盛り上がっていた印象です。

では、レポートして参りたいと思います。

1.サントリー

日本で最も有名なウィスキーメーカー「サントリー」の今回のトピックスは、2019年の新商品「碧Ao」です。先日発売されたばかりのエッセンスシリーズも有料試飲で置いてありました。お馴染みのマッカランや、グレンフィディック、ボウモア等の人気アイテムもブースに並んでいました。

※BAR新海では、「碧Ao」「サントリーエッセンスシリーズ」「山崎NV~18年」「白州NV~18年」「響17年」「響ジャパニーズハーモニー」「響ブレンダーズチョイス」「知多」を取り扱っておりあます。

2.キリン(富士山麓)

キリンのブースでは、富士御殿場蒸留所の「富士山麓」が紹介されていました。富士山麓は、リーズナブルな白ラベルの製品が終売となり、現在は黒ラベルの「富士山麓シグニチャーブレンド」のみとなっています。
キリンブースでは富士山麓の樽出しをそのまま飲ませてくれるパフォーマンスを行っていました。

※BAR新海では、「富士山麓」「富士山麓シグニチャーブレンド」「富士山麓18年」を取り扱っております。

3.厚岸蒸留所(堅展実業)

当店では既にお馴染みで注目の蒸留所「厚岸」。
ちょうど先日、「厚岸ニューボーンファンデーション4」がリリースされ、ニューボーンシリーズが完結したばかりではありますが、来年2月にいよいよ”ウィスキー”として発売予定の新商品「サロルンカムイ」の”白いボトル”が展示されていました。
2月の新商品も200mlの小瓶でのリリースとの事でした。内容はブレンデッド。
蒸留所へお邪魔した時にお世話になった所長の立崎さんもブースにいらっしゃった。少しだけお話しする事が出来ましたが、他のお客様が名刺交換の希望で控えられていたので挨拶程度で失礼させて頂きました。
厚岸蒸留所に関する詳しい記事は、こちらの蒸留所見学の記事をご覧ください。

※BAR新海では、「厚岸ニューボーンファンデーション1~4」全て取り扱っております。

4.嘉之助蒸留所(小正醸造)

鹿児島の小正醸造が手掛ける嘉之助蒸留所も出展されていました。
これまでにリリースしてきたニューボーンシリーズ2商品の他、蒸留したてのニューポット、展示会限定(?)のニューボーンカスク数種類、そしてウィスキー以外のジンや焼酎も並んでいました。
小正醸造はもともと老舗の焼酎メーカーですが、2018年に嘉之助蒸留所を始動させウィスキー作りに乗り出しました。焼酎の片手間でやっている感じではなく、本格的にウィスキー造りに取り組んでいるのが伝わってくる程の熱意を感じました。こちらの蒸留所も今後更に期待できそうです。

※BAR新海では、「嘉之助ニューボーン」「嘉之助ニューボーン2019」を取り扱っております。

5.遊佐蒸留所(株式会社金龍)

山形県初のウィスキー蒸留所「遊佐蒸留所
株式会社金龍が手掛ける蒸留所で、2018年11月に始動したばかりのウィスキー蒸留所で、今回の展示でも何種類かのニューメイクを並べに留め、山形の遊佐蒸留所の存在を知ってもらう事が目的という感じでした。
来年、再来年に原酒の熟成が進んだ頃が楽しみです。

6.三郎丸蒸留所(若鶴酒造)

北陸、富山県の若鶴酒造が手掛ける三郎丸蒸留所
2016年にクラウドファンディングで改築をして、更にウィスキー造りに力を注ぎ始めた若鶴酒造。
定番のサンシャインウィスキーは安定的に製造していますが、過去に貯蔵していた樽を使って「三郎丸」や「ムーングロウ」などの限定商品を定期的に発売しています。今回はサンシャインウィスキー、ムーングロウ、ニューポット、おまけに梅酒(?)が並んでいました。こちらもこれからが楽しみな蒸留所です。

※BAR新海では、「ムーングロウクレッセント2018」を取り扱っております。

7.紅櫻蒸留所(北海道自由ウィスキー)

北海道札幌市の北海道自由ウィスキーが手掛ける紅櫻蒸留所
現在、ウィスキーではなく、クラフトジンで話題の蒸留所です。北海道ならではの材料を使用して蒸留するジンは、味わいが独特ですぐに話題となりました。
もちろん当店でも「クラフトジン9148」は取り扱いしております。
会社名は「北海道自由ウヰスキー㈱」ですが、今のところ紅櫻蒸留所でのウィスキー造りに関する情報は無く、今後の動きに注目です。

8.秩父蒸留所(ベンチャーウィスキー)

ウィスキー愛好家ならご存知の「イチローズモルト」
肥土一郎氏の㈱ベンチャーウィスキーが手掛ける秩父蒸留所のウィスキー「イチローズモルト」
世界的にも評価され、流通量が少ないため入手困難となったジャパニーズウィスキーです。数年前なら数アイテム定価で購入する事が出来ましたが、現在では、ホワイトラベルのワールドブレンデッド以外は全てプレミア付きの商品となってしまいました。
イチローズモルトはいつも展示会で入手困難な商品たちがずらりと並びます。今回も、リーフシリーズやピーテッド、その他限定アイテムなどを試飲する事が出来ました。やはり味は格別でした。

※BAR新海では、「イチローズモルト&グレーン」「イチローズモルトMWR」「イチローズモルト秩父THE PEATED2018」を取り扱っております。

9.マルス信州蒸留所(本坊酒造)

シングルモルト駒ヶ岳、岩井トラディションなどで有名な本坊酒造が出がけるマルス信州蒸留所
焼酎なども造る鹿児島の老舗の酒造ですが、ウィスキー造りの歴史も長く、1985年には理想のウィスキー造りを求めて山梨県の駒ヶ岳山麓にマルス信州蒸留所に引き継がれて現在に至ります。
BAR新海のハウスウィスキーとして採用しているのも実は、「岩井トラディション」で、リーズナブルながらも非常にバランスの取れた飲みやすいブレンデッドウィスキーです。
今回の展示では、定番のアイテムの他、先日リリースした「駒ヶ岳リミテッドエディション2019」とこれから限定で発売される「シングルモルト駒ヶ岳津貫エージング2019」が並べられていました。

※BAR新海では、「岩井トラディション」「駒ヶ岳リミテッドエディション2018」「駒ヶ岳リミテッドエディション2019」を取り扱っております。

10.安積蒸留所(笹の川酒造)

福島県郡山の笹の川酒造が手掛ける安積蒸留所。
笹の川酒造というと、これまでも「チェリーウィスキー」や「山桜」という商品が流通していたのを思い出します。
笹の川酒造には、実は長いウィスキー造りの歴史があり、戦後の間もない頃から自社でのウィスキー造りを始めていました。80年代後半に入り日本のウィスキー市場の陰りから生産量を縮小することになってしまいましたが、十分な量のウィスキーが貯蔵されていた為、現在でも商品を共有する事が出来たようです。
2015年、日本のウィスキー需要の高まったで、笹の川酒造は新たな蒸留所の設立を決意し、新規事業として2016年に安積蒸留所が開業しました。
今回展示されていた商品には、過去に貯蔵されていた樽から作られた「山桜シリーズ」に加え、安積蒸留所で新たに作られたニューポットとニューボーンも並んでいました。

※BAR新海では、「山桜18年」と「山桜ポートワインフィニッシュ」を取り扱っております。

11.長濱蒸留所(長濱浪漫ビール)

滋賀県長浜市の長濱浪漫ビールが手掛ける長濱蒸留所
クラフトビールの醸造所として1996年に設立し、20年に渡ってビールを作り続けてきましたが、2016年に日本一小さい蒸留所として長濱蒸留所を設立し、新たにウィスキー造りを開始しました。
今回の展示では、数種のニューメイクと、海外から買い付けた樽とのブレンドによるブレンデッドウィスキー「AMAHAGAN」シリーズ。
※BAR新海では、AMAHAGAN Edition.1を取り扱っております。

12.静岡蒸留所(ガイアフロー株式会社)

ガイアフロー株式会社が手掛ける静岡蒸留所。
2015年にメルシャンが所有していた軽井沢蒸留所の設備が競売にかけられ、これを落札。設備の一部を使用して静岡蒸留所を設立しました。
展示会当日、私の確認が甘かったのか、このタペストリーの存在しか見つけられず、商品の展示は見つけられませんでした。
HPの情報を見ると、当日にニューボーンをいくつか持参されていたようです。

まとめ

今回のWhisky Festival 2019では、2015年以降に新たにウィスキー事業に乗り出した新星蒸留所が多数出展していました。いずれも現時点では、熟成期間が3年未満なので「ニューボーン」という位置づけとなっていましたが、それぞれウィスキー造りへの熱い情熱が伝わってきて今後の発展が非常に楽しみです。
いよいよ、新旧のウィスキーメーカーが出揃った感じです。2020年からは「ウィスキー」としての出荷が始まる新生蒸留所もあります。オリンピックイヤーでもあり、日本中が盛り上がること間違いないですね!